シニアノマドのフィールドノート

生き生きと生きている人を訪ねる旅日記です

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『春と修羅』を読んでみる(1)

『春と修羅』とは宇宙意志・真理を把握するための宮沢さんの心象スケッチの記録なのだと思うのですが、それはどのような内容をめざした記録なのでしょうか。それはこの当時宮沢さんが自分の菩薩道をどのように考えていたかに関係していると考えられるのです…

『春と修羅』の心象スケッチとは

宮沢さん自身のことばによれば、『春と修羅』は「或る心理学的な仕事」をめざしている素材創作のための作品群であると言えるかと思います。さらに言えば、そのある心理学的な仕事とは、新仏経典の創造ではなかったかというのが仮説です。その仕事の準備とし…

宮沢賢治さん、新仏経典創作に挑む

一度たりとも疲れを感じることがなかったくらい、楽しく、喜びに満ちた教員時代を送っていた宮沢さんは、しかし他方では、岩手県の自然と向き合い、切り開くことで、新たな仏国土を建設するという悲願実現のための行動にはただの一歩すら踏み出せてはいない…

宮沢賢治さんはどのような教師であろうとしたか(2)

トルストイさんの教育および教師論のすべてに応えることができそうでなかったとしても、農学校の教師時代は、宮沢さんにとって、人間関係という点で見れば、人生上最も充実し、幸福だった時期だったとのではないでしょうか。何と言っても自分が蘊蓄を傾け、…

宮沢賢治さんはどのような教師であろうとしたか(1)

宮沢さんは、農学校の教師時代、どのような教育をめざし、どのような教師であろうとしたのでしょうか。この点でも、宮沢さんはトルストイさんの教育論から大きな影響を受けていたものと考えられます。 トルストイさんが生き方でなによりも重視したのは、他人…