シニアノマドのフィールドノート

生き生きと生きている人を訪ねる旅日記です

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

農学校最後の二年の教師生活の意義とは(1)

宮沢さんの農学校教師生活における、とくに最後の二年間の生活は、宮沢さんの仏国土建設の夢の実現のためにどのような意義をもっていたと考えたらよいのでしょうか。そのことを推測していくために、まず『春と修羅』第二集の序の記述を参照したいと思います…

『春と修羅』を読んでみる(9)

最愛の妹トシさんの死に向き合ったことで、宮沢さんの心境にはどのような変化が起きていったのでしょうか。今度はけっして急激なものではありませんが、徐々に、しかし確実に仏国土建設に向かっての新しい挑戦に歩みださなければという気持ちが高まっていっ…

『春と修羅』を読んでみる(8)

ところでトシさんは、宮沢さんから見て、どのようにして死での旅路に旅立とうとしていたのでしょうか。そのとき兄の宮沢さんとそれ以外の家族の人たちの気持ちをどのようにくみとっていたのでしょうか。「永訣の朝」にそれらのことが表現されています。 その…

『春と修羅』を読んでみる(7)

死後の世界ではない、今生きているこの世に仏国土、すなわち「無量寿経」に云う「かの〈幸いあるところ〉という世界」を建設しようとする人は死後どのようになっていくものなのでしょうか。 この世は無常であり、誰も死を免れることのできる人はいません。そ…

『春と修羅』を読んでみる(6)

宮沢さんは、最愛の妹であるトシさんの死に直面し、『春と修羅』に掲載されている「永訣の朝」、「松の針」、「無声慟哭」、「青森挽歌」、そして「オホーツク挽歌」という一連の作品を創作しています。それら一連の作品群は、『春と修羅』への厳しい批評を…