シニアノマドのフィールドノート

生き生きと生きている人を訪ねる旅日記です

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

岩手県の風土論(2)

宮沢さんの目には、岩手の自然は極楽浄土と思える美と聖性を湛えた存在であると映っていたようです。例えば、浄土ヶ浜などはそうなのではないかと思います。浄土ヶ浜に関して言えば、そこは宮沢さんでなくても多くの人たちによってまさしく極楽浄土の風景と…

宮沢賢治さんの岩手県の風土論(1)

岩手の地に仏国土建設をという夢をもった宮沢さんは、岩手という地の気が遠くなるような歴史的形成過程に思いを巡らし、それは岩手の自然と人々がお互いに交感・交歓し合う中で仏意的世界を育んできた営みの歩みであったことを感じとり、文学的に表現しよう…

宮澤賢治さんと岩手の地との新たな出会い

宮沢さんは、必ずしもはじめから岩手の地で一生をすごそうと考えていたわけではなかったように思えます。盛岡の高等農林学校卒業後は東京で人工宝石にかかわる商売をしたいとの希望を父に伝えています。 また、国柱会で働くために東京に出奔したときには、田…

フィールドワーカー作家宮沢賢治さん

社会学者の目で宮沢さんの人生の歩みをたどっていくと、否応なく、宮沢さんという人は、フィールドワーカーであり、社会的実践者であろうとした人なのだなとつくづく実感します。それらは詩や童話の作家としても宮沢さんの特異性を構成するものとなっている…