シニアノマドのフィールドノート

生き生きと生きている人を訪ねる旅日記です

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「オツベルと象」と自己犠牲

「オツベルと象」という作品も、またどのような自己犠牲であれば、まことのみんなの幸せにつながるものなのかを考えようとした物語となっているのではないかと感じます。 オツベルさんは「十六人の百姓(ひやくしよう)」を使って大規模な農業を営んでいる優…

地域の独立と自律を求めるという「まことのしあわせ」の形

宮沢さんの「鳥の北斗七星」という作品との関係で、現在私たちが生きている娑婆世界で起こっているウクライナ危機に何を見るかということについて考えてみたいと思います。現在のウクライナ戦争で何よりも驚いたことは侵攻しているロシアと比較すると圧倒的…

「鳥の北斗七星」と自己犠牲

「ほんとうのさいわいは一体何だろう。」それはジョバンニさんとカンパネルラさんの共通の問いです。「鳥の北斗七星」という作品はこの問いにどのような答えを用意しているのでしょうか。この作品では戦争の中の自己犠牲が探究されています。 この作品は、烏…

「銀河鉄道の夜」と自己犠牲(2)

繰り返しになりますが、「ほんとうのみんなの幸(さいわい)のためならば僕のからだなんか百ぺん灼(や)いてもかまわない」との覚悟をもって生きていた宮沢さんでしたが、問題は、「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」ということでした。 この問…

「銀河鉄道の夜」と自己犠牲(1)

人間を含む生き物はすべて死ぬことによって生物界全体の利他的な存在となるというメッセージがあります。そのメッセージの送り主は、『生物はなぜ死ぬのか』の著者である小林武彦さんです。小林さんによれば、人間を含む生き物は、生き物世界全体の存続と多…