シニアノマドのフィールドノート

生き生きと生きている人を訪ねる旅日記です

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

宮沢賢治さんと三澤勝衛さん(1)

宮沢さんと宮沢さんが救おうとした貧しい農民の人たちとの関係性を考えながら、宮沢さんは当時の農民の人たちの窮状と惨状にどのように向き合えばよかったのだろうかという問いが浮かんできます。少なくとも、そうした志をもった宮沢さんが農民の人たちから…

宮沢賢治さんの詩の作品(4)―「(そのまっくらな巨きなものを)」

この作品は、農民の人たちの心の壁にぶち当たった宮沢さんの敗北宣言なのでしょうか。その文章すべてを確認しておくことにします。 「そのまっくらな巨(おほ)きなものを/おれはどうにも動かせない/結局おれではだめなのかなあ/みんなはもう飯もすんだのか/…

宮沢賢治さんの詩の作品(3)―「火祭」

「火祭」という作品は、今回参照している『詩集』の編者である山本太郎さんの解説によれば、宮沢さんが心血を注いだ羅須地人協会の活動が空転しはじめた時期の作品だそうです。宮沢さんはその活動を通して、(貧しい)農民の人たちのために、その人たちと協…

宮沢賢治さんの詩の作品(2)―「(もう二三べん)」

岩手という地に仏国土建設を夢見る宮沢さんの心を暗く、屈折したものにしてしまうものとは何か、次に、「(もう二三べん)」という作品を見てみることにしたいと思います。 「もう二三べん/おれは甲助(かふすけ)をにらみつけなければならん/山の雪から風の…

宮沢賢治さんの詩の作品(1)―「地主」

宮沢さんが生きていた時代には、同じ地域内の有力者層の人たちと一般農民、とくに小作として経済的にも貧しい生活を強いられていた農民の人たちとの間の関係性は大きく変わってしまっていました。その変化は、社会科学的用語で表現すれば、近代化・資本主義…