宮沢さんは、自身が肥料設計した稲を次々と倒しながらうちつづく雷をともなう冷雨の中をさまよい歩いています。そのときに見た農民の人たちの生活の心象風景とはどのようなものだったのでしょうか。『春と修羅第三集』における「〔二時がこんなに暗いのは〕…

ここで取り上げている宮沢さんの「〔もうはたらくな〕」という詩は、宮沢さんの肥料設計という活動が、（気候変動を含む）地域の自然および農家経営の実情を熟知し、それらへの対策および改善法として確実な見通しと自信をもって臨んだものではなかったこと…

宮沢さんの父政次郎さんは、息子である賢治さんを傲慢であったと評していたと言われています。宮沢さんに興味をもち、宮沢さんに関する著書を読み、はじめてその指摘を目にしたとき、とても信じられませんでした。どのような意味で、政次郎さんは賢治さんの…

この「〔もうはたらくな〕という作品は、『【新】校本宮澤賢治全集』の中の作品番号1088番の作品です。ここではこの作品の主題をどのようにとらえたらよいかについて考えていこうと思います。この点に関して、これまでも参照してきました旺文社文庫の『宮沢…

この「和風は河谷いっぱいに吹く」という作品も、宮沢さんが、自分が信じている宇宙世界を律している「透明な意志」の偉大な力に頼って、直面している困難な事態が一瞬で解決するような奇蹟が起こることを祈っている（願う）作品です。 奇蹟よ起これ、そして…