シニアノマドのフィールドノート

生き生きと生きている人を訪ねる旅日記です

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

宮沢賢治さんがめざした仏教の教えとは(5)

宮沢さんが、宗教家に求めたものは、宗教家は芸術家であれ、とくに自分の人生の芸術家であれ、ということではなかったかと感じます。そのためには、自分の「苦」から逃れることばかりを考えるのではなく、自ら「苦」を引き受け、それを乗り超えることで自己…

宮沢賢治さんがめざした仏教の教えとは(4)

宮沢さんに関心をもったことでまだ数は極めて少ないのですが、仏教関係の文献を読んできた限りで言えば、仏教がめざしている「抜苦」における「苦」の捉え方に宮沢さんの仏教に向き合うユニークさがあるように感じます。 例えば、「苦」の原因を、「仏教の思…

宮沢賢治さんがめざした仏教の教えとは(3)

社会学的に見ると、社会における日常生活の中での自他の感情交流における他者の目の内面化よって形成される自我は、それゆえ、自己内自己と自己内他者との関係構造をもっています。すなわち、自我とは全くの個人的な、または個体的なものではなく、自分の内…

宮沢賢治さんがめざした仏教の教えとは(2)

いわゆる煩悩と言われていることを、一般的に見たとき、まず念頭に浮かぶのは、生物学的自己保存本能に関連することがらのように思います。例えば、生きるための食欲や子孫再生のための性欲を含む(いわゆる縄張りを意味する)占有欲や怒りの感情にもとづく…

宮沢賢治さんがめざした仏教の教えとは(1)

終活の一環として宮沢さんの作品や人生に興味をもったことで、それまで手に取ったことにない多くの文献や、それまで全く関心をもたなかった宗教関係の文献にも接することができ、多くのことを学ぶ機会をえていることに喜びを感じます。とくし、なるほどそう…