シニアノマドのフィールドノート

生き生きと生きている人を訪ねる旅日記です

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

岩手県民の生活文化のはじまり、はじまり

宮沢さんは、人間をとりまく自然は、人間に関心をもち、できれば仲良くなりたい、人間たちに自分の存在に気をつかい、できればかまってほしいという願いをもっている存在であると考えていたように感じます。 またそうした自然のもっている気持ちや願いを分か…

岩手県社会のはじまり、はじまり(2)

森たちの許しを得て自分たちの社会づくりをはじめるという物語を、草山万兎さんは次のように絶賛します。 「この人と自然の関係についての賢治さんの思想が、これほど鮮やかに浮かびでてくる場面は、ほかにそうありません。そして、今高度な文明世界に生きて…

岩手県社会のはじまり、はじまり(1)

社会学は、私たちが生きているこの世界は主に人間の集団生活の歴史として創り出されてきたものと捉えます。そして、それは、決して平和的で、穏やかな過程としてあったのではなく、ときに目を覆いたくなるような悲惨な闘争の歴史的過程でもあったと理解して…

岩手県の風土論(3)

渡部さんによれば、宮沢さんは、明治43年に修学旅行で平泉を訪れているのだそうです。そのとき中尊寺について次のような歌を詠んでいるとのことです。 「七重の舎利の小路に、蓋なすや緑の燐光。/大盗は銀のかたびら、をろがむとまづ膝だてば、赭のまなこた…