シニアノマドのフィールドノート

生き生きと生きている人を訪ねる旅日記です

Community Hubとしての江別港

 大麻座商店街に住み暮らしている生活者の目から見ると、私たちの授業活動は、一時的で、思いつきのようなものと映ったかもしれません。しかし、そうした活動であっても受け止め、後押ししていただいたことに心から感謝しています。とくに、私たちが希望していることと商店街との間を取り持ち、コーディネートしてくれた橋本さんと橋本さんが経営している江別港にはお礼の言葉もないような思いです。橋本さんと江別港の存在なしには、私の授業の形は実現することはなかったと感じています。

 自然に、橋本さんとは何者で、なぜ先述したような活動をするようになったのか、そして江別港とはどのようなところなのだろうかという関心が強くなっていきました。橋本さんを対象とする調査やインタビューをしたわけではありませんが、お世話になる中で知りえたことや感じてきたことを記録しておきたいと思います。

 以前参照した『創造商店街』に江別港についての紹介があります。少々長くなりますが転載させていただきたいと思います。

 「江別港は、江別に在学する約1万人の大学生と、彼らを必要とする様々な地域、活動現場をつなぐための『仕組み』を作り上げることを目的としたプロジェクトです。

 大学生が、地域の良さや課題に気付ける視点や思いを形にする技術を補う経験ができるようなつなぎの『場』として、その名も『江別港』という活動拠点を大麻座商店街内に備えました。この拠点から、大学生自身が発案する各種プロジェクトが始まり、そこに商店街、企業、NPO自治会、行政など様々な主体が関わり合うことで、単なる一過性のものではなく、お互いに高めあいながら、地域の課題解決という成果へと結び付けていくことを目指しています」。

 まさしく、江別港は、大学生を地域の力で支援し、育てようとする企図をもって設立されたのだなとあらためて知ることができました。同じく『創造商店街』には、そうした江別港を設立した橋本さんの思いが次のように記録されています。

 「江別港は、飲食店や創作、交流など様々な場があり、そこに行けば常に誰かと出会えるようにしていきたいと考えています」と。

 ここまで見てきたように、江別港はただのカフェ・食堂ではなかったのです。むしろ、大学生の地域活動を支援し、学生を育てるとともに、地域活性化・地域づくりをすることを主目的として設立されたものだったのです。江別港は、文字通り、Community Hubを目指している施設だったと言えます。

 そうした性格をもっている江別港に最初出会ったときは、本当に驚いたものです。なぜ大学関係者ではない橋本さんが、大学生の地域活動を支援し、学生を育てようとしているのか。なぜそうした施設を大麻座商店街で開設したのだろうか。江別港設立後どのような活動を橋本さんはしてきていたのだろうか。活動のための資金はどのようにしてえているのだろうか。等々のそれら知りたいことが、次から次と頭の中に浮かんでいったのです。

 

     竹富島・白くまシーサー・ジャンのいちファン