シニアノマドのフィールドノート

生き生きと生きている人を訪ねる旅日記です

I Have a Dream

 ‘I Have a Dream.’。それが、江別港の代表・麺こいやの店主橋本さんの自己紹介のときの決まり文句です。橋本さんの夢は、お金がないために自分の人生選択の幅が狭くならざるをえない、または自ら狭めている若者を支援することです。はじめて出会ったころ橋本さんは、そのために若者支援のNPOを立ち上げ、実際そうした若者たちに金銭的に支援することのできる資金を確立する計画をもちその実現に奮闘していました。‘I Have a Dream’ということばを聞くたびに、橋本さんのその思いの強さを感じていました。

 橋本さんは1977年札幌市生まれです。橋本さんは、川の活用に関する啓蒙活動をしている財団法人で8年間働いていました。その中で江別と関わることでNPOの存在を知ったと言います。ezorockはその一つです。2000年石狩市で開催された音楽フェスティバルにおける環境対策活動をキッカケに設立された団体です。ホームページには何を目指して活動しているのかに関して次のように紹介されています。

 「青年層のネットワークの拡大とともに、北海道の地域課題に対して、若者のアイデアやパワーを届ける事業を展開。活動を通して若者が自らの人生と社会を切り開いていく機会を作り出しています」と。

 NPOファシリテーションきたのわもそのひとつです。「きたのわ」は、道内のまちづくりの現場をファシリテーションの力を使ってサポートしたいということで2010年に設立されています。活動としてはファシリテーションの学習会を開催していたのです。橋本さんはそこでファシリテーターとしての知識と技量を身につけられたのではないかと思います。

 さらに橋本さんはえべつ協働ねっとわーくに出会っています。えべつ協働ねっとわーくは江別市と協力して江別市における地域づくりや地域で活動している市民諸団体を支援しているNPO団体です。

 それらのNPO諸団体との出会いが橋本さんの人生を大きく変えることになりました。すなわち橋本さんはそれらの団体との出会いを通して8年間勤めていた財団を退職しえべつ協働ねっとわーくへ転職したのです。ここで事務局長として「中間支援の仕事をしたり、フファシリテーターを務めたり」(橋本さんのプレゼンテーション資料)していました。

 大麻座商店街との出会いは、大麻座商店街で実施された高齢者の方々が日常的に集い活動するための拠点づくり事業を担当したことがキッカケでした。その地域の高齢者の拠点施設の名は元気プラザといいます。江別市のシルバー人材センターの事業でしたが橋本さんも1年間かかわっていたということです。そしてこの事業を通して大麻座商店街と出会い、3年間勤めてきたNPOえべつ協働ねっとわーくを退職し独立ことにしたのです。

 大麻座商店街に麺こいやを開店するとともに、学生と地域とをつなぐ拠点となる江別港を設立し、橋本さんは代表として活動を開始していったのです。2013年のことでした。その後の活動には目ざましいものがあったのではないかと思います。あるプレゼンテーションで橋本さんは江別港設立から3年間の活動成果を以下のように紹介しています。

 「大学生・大学参加事業」に関して、「江別港や商店街を活用したプロジェクト等の実施」は「38事業」、「人材ネットワーク」に関しては「120名」、そして「商店街の賑わい」に関しては「新規で商店街に出店した店舗数」は「7店」になっているのです。

 これらの活動実績を踏まえて、橋本さんは自身の夢であった「みなと計画」実現のための活動を本格的に開始していったのです。ちなみに橋本さんがよく口にするもうひとつの言葉とは、「世界平和をめざして活動しています」というものです。

 

     竹富島・白くまシーサー・ジャンのいちファン